旅ガイド

【カンボジア子連れ列車旅】ロイヤル鉄道の乗り方や注意点

列車での移動は好きですか?

東南アジアのカンボジアでも、列車旅を楽しむことができます。

子ども3人とカンボジアに3週間滞在中、列車で3つの街を巡りました。

実際に乗ってみた体験をもとに、カンボジアのロイヤル鉄道のチケット購入方法や注意点をご紹介します。

ロイヤル鉄道とは?

カンボジアの主要都市を結ぶ鉄道で、南線と北線の2つの路線があります。

南線は首都プノンペンから南へ向かい、港湾都市シアヌークビルまでつながっています。

北線はプノンペンから北西に向かい、バッタンバンまでつながっています。

内戦で破壊された線路を修復し、2010年頃から徐々に運行を再開。2018年には全線開通しました。

タイ国境のアランヤプラテートまで線路はつながっていますが、2024年2月現在、列車は運行していません。

 

チケットの購入方法

座席は自由席のみです。購入方法は2つ。

それぞれ順番に見ていきましょう。

 

ネットで購入する

チケット予約サイト「Baolau」で購入することができます。

わざわざ窓口まで行かずに、買えるので便利です。

手数料が 1シートにつき0.5ドル(77円)かかります。

支払いは、クレジットカードのみ。

ネットでの購入は、2日前まで
前日や当日の購入は、窓口での購入になります。

 

窓口で購入する

駅のチケット販売窓口に行って、直接購入する方法です。

窓口での支払いは現金のみ。もしくは現地のQRコード決済なら可能。

 

チケット料金

2024年2月時点の料金をまとめておきます。

プノンペン – シアヌークビル 10ドル(1,540円)
プノンペン – カンポット 9ドル(1,386円)
プノンペン – ケップ 8ドル(1,232円)
プノンペン – タケオ 6ドル(924円)
プノンペン – バッタンバン 8ドル(1,232円)

※子ども料金なし。必要な座席数を購入すればOK。

窓口では、カンボジア通貨のリエルでも支払い可能です。

ドルとリエルを組み合わせて支払うこともできます。

2024年2月時点では、1ドル4,000リエルで計算されました。

 

ロイヤル鉄道の乗り方

駅は改札がなく、出入り自由です。何なら、線路も立ち入り自由です。

列車に乗るときに、乗務員さんにチケットを確認されます。

オンライン購入のときはバウチャー(オンライン購入証明)を見せればOK。

席は自由席のみで、ボックスシートとロングシートがあります。

ボックスシート ロングシート

大きな荷物は座席の下か、車両の出入口付近のスペースに置きます。

 

時刻表

チケット窓口で配布されている時刻表をもとに、主要な都市の発着時間をまとめました。

パンデミック後は、毎日1本は必ず運行しています

情報は、2024年2月時点のものです。

 

《プノンペン→シアヌークビル》

プノンペン 7:00
タケオ 8:40
ケップ 10:20
カンポット 10:40
シアヌークビル 13:00

 

《シアヌークビル→プノンペン》

シアヌークビル 14:00
カンポット 16:00
ケップ 16:20
タケオ 18:00
プノンペン 20:00

 

《プノンペン→バッタンバン》

プノンペン 6:40
ポーサット 10:40
バッタンバン 13:00

 

《バッタンバン→プノンペン》

バッタンバン 15:00
ポーサット 17:30
プノンペン 22:00

あくまで予定の時刻です。列車は時間どおりに来ないと思っておきましょう。

実際に乗ったときのことをまとめたので、次の章を参考にしてみてください。

 



 

子どもとロイヤル鉄道に乗ってみた

わが家が乗った列車の様子を詳しくご紹介します。

 

プノンペン→シアヌークビル

  • 料金︰1席 10ドル(1,540円)
    ※子ども料金はないので、必要な座席数を購入する
  • 所要時間︰6時間(7時発、13時着予定)
    ※わが家の乗車時は8時間かかった

プノンペン駅の場所はこちら。

出発30分前にプノンペン駅に到着すると、列車はもうホームに停まっていました。

改札はないので自由に出入りできる

駅のまわりで屋台が数軒出ていて、そこで朝食を買いました。

1つ1ドルの肉まんを購入。たぶん相場の2倍はする

出発15分前くらいに、乗務員さんにチケットを見せて乗車します。

席はガラガラで、好きなところに座れました。

乗客は8割が欧米系の人たち。他は地元の人が1組とわが家だけでした。

 

7時出発予定が、7:15に出発。

車内にクーラーはついていましたが、動きません。

出発後しばらくして、乗務員さんがもう一度エアコンのスイッチを入れてようやくクーラーが動き始めました。

広大な農地

水牛も放牧されている

赤茶色の土が目立つ

景色を眺めていると、ときどき不自然に大きな丸い穴があります。

おそらく爆撃の跡です。

こんな風に各地にはまだ戦争の爪跡が残っているのかもしれません。

 

途中、タケオという駅で停車。

10分停車するというので、降りてみました。

子どもたちのお腹を満たすためにオレオを購入。1つ1ドル(154円)。

いろんなスナックや水が売っている

大人はコーヒーを購入。1つ4,000リエル、つまり1ドル(150円)。まぁまぁ、割高です。

コーヒーも買える

甘くて美味しいコーヒー

10分の停車と言いながら、30分以上停車。

貨物列車が通過してから、出発します。

列車が出発したら、子どもたちは待ちに待ったスマホタイム。

Wi-Fiはないので、オフラインでできるゲームを楽しみます。

 

ケップを過ぎたところで、エアコンがまた停止。

夫がエアコンのカバーを開けて直接自動運転のスイッチを入れます。

またクーラーが効きはじめて、ひと安心。

それからしばらく走り、カンポットという駅に到着。

ここで半分くらいの欧米系の人たちが降りて、それ以上の人数が乗ってきました。

わが家はボックスシートを2つ使って寛いでいたので、1つにまとまって座りなおします。

あっという間に席は満席に。

満席の車内。クーラーが効かず暑い

車内のエアコンがまた切れて、蒸し風呂状態に。

今度は自動運転のスイッチを入れても動きません。

窓を開けて風を通していると、乗務員さんが閉めるように言われて逃げ場なし…。

末っ子が汗だくなので、汗を拭いたりタオルで風を送ったりしていると、隣のムスリムの女性もタオルであおいでくれました。優しさに感謝。

しばらくしてようやくエアコンがついてクーラーが効き始めました。本当によかった。

 

中国が建設した立派な発電所が見えたら、シアヌークビルまであともう少し。

中国が整備した発電所。この周りだけ別世界のよう

朝7:15にプノンペンを出発し、15:10にシアヌークビルに到着(予定時刻だと13時に到着)。

計8時間の道のりでした。

8時間かけて、シアヌークビル駅に到着

 

シアヌークビルでは、GrabとPassAppどちらも使えます。

ただ、駅ではGrabのタクシーは表示されず、トゥクトゥクのみでした。

駅前に停まっているトゥクトゥクやタクシーは配車アプリの2倍以上の価格を言ってきます。

配車アプリで車がつかまらない場合は、アプリの価格をもとに客待ちのドライバーと交渉しましょう。

 

シアヌークビル→ケップ

  • 料金︰1座席 5ドル(770円)
    ※子ども料金はないので、必要な座席数を購入する
  • 所要時間︰2時間20分(14時発、16:20着予定)
    ※わが家の乗車時は3時間かかった

シアヌークビル駅の場所はこちら。

プノンペンから列車が到着するのを駅の構内で待ちます。

下り列車がそのまま折り返してプノンペンに戻るので、下りが遅れていると上りもその分遅れていきます。

幸いこの日は、大きく遅れることなく列車が到着しました。

バイクを乗せる車両もある

今回はロングシートの車両。

スーツケースと大きなリュックは座席の下に入れ、バギーは折り畳んで出入口付近のスペースにストッパーをかけて置きました。

14時出発予定が15分ほど遅れて出発。

ロングシートの車両は窓が開かないタイプで、クーラーがちゃんと効いていました。

カーテンもあって、日除けができるのでありがたい。

しばらく走って、カンポットに到着。

ここで半分近くの乗客が降りました。

空いた車内で遊びまわる子どもたち

もうしばらく走って、17:20頃ケップに到着。

予定より1時間遅れ。シアヌークビルからケップまで、3時間かかりました。

 

ちなみに、ケップではGrabが使えません。

PassAppは使えますが、駅周辺は街から離れているのでつかまりにくいです。

列車到着時に駅前に停まっているトゥクトゥクに乗るのが1番早くて確実です。

わが家は乗りそびれて、大きな道まで歩いてからようやくPassAppでトゥクトゥクを呼べました。

駅から砂利道を歩いて大きな道路へ

ケップ→プノンペン

  • 料金︰1座席 8ドル(1,232円)
    ※子ども料金はないので、必要な座席数を購入する
  • 所要時間︰3時間40分(16:20発、20時着予定)

ケップ駅の場所はこちら。

ケップの駅舎は小さくて、のどかな風景の中にあります。

列車は予定通りに来ないので、のんびり到着を待ちます。

線路の立ち入り自由

地元の子たちと、かけっこしたりして遊ぶ

ケップ駅からは、現代アートのようなかなり大きな像が見えます。

調べてみると、シアヌーク前国王が鉄道建設に尽力した労働者を讃えて作った作品だそうです。

戦争の爆撃や銃弾で破損したまま残されています。

駅から見える不思議な像。かなり大きい

到着予定時刻を30分ほど過ぎて列車が到着。

列車は空いていて、ボックスシートもロングシートもどちらも席がありました。

わが家は荷物の置きやすいロングシートに座りました。

比較的空いている車内でじゃれる子どもたち

20:30頃にプノンペン駅に到着。

到着はほぼ予定通り。

ケップからプノンペンまで3時間40分の列車移動でした。

夜のプノンペン駅に到着

 



 

ロイヤル鉄道のココに注意!

実際に乗ってみて、気をつけたほうがいいことをご紹介します。

順番に見ていきましょう。

 

時間通りには動かない

海外鉄道あるあると思いますが、時間通りに出発しません。

そして、何かしらの理由で遅れるので、時間通りに到着しません。

例えば、プノンペン→シアヌークビルは、6時間で到着予定です。

でも、わが家が乗ったときは8時間かかりました。

遅れることを見越して、余分に水や食料を用意しておくと安心です。

 

クーラーが効かないこともある

これはかなりキツイです。

車内にはエアコンが数台設置されているのですが、3回乗ったうちの1回はエアコンが作動しませんでした。

エアコンが停まった車内は暑すぎて(しかも満席…)、窓を開けていると乗務員さんにそれも止められる状態。

通電が回復するまで1時間弱、車内は人の熱気と暑さでムンムン…。

7歳長男と4歳次男は、文句を言いながらも耐えてくれました。

0歳末っ子は蒸し暑さで汗だく、授乳しても機嫌がなおらず、クーラーが回復してようやく落ち着きました。

対策としては、タオル持参して水分補給。

ポータブル扇風機があればマシ、という感じでしょうか。

今となっては、これもおもしろい旅の思い出です。

 



 

まとめ 子連れでカンボジアのロイヤル鉄道

シアヌークビル、カンポット、ケップ、バッタンバンなどの主要都市には、列車で行くことができます。
(アンコールワットで有名なシェムリアップは、バスでしか移動できません

カンボジア国内はバス移動が便利ですが、時間があるなら鉄道で移動してみるのも楽しいです。

この記事が列車旅の参考になれば嬉しいです。