1度やってみたかった、列車での国境越え。
子連れ旅で東南アジアを巡っているとき、タイ南部最大の都市ハートヤイ(ハジャイ)から、列車でマレーシアに渡りました。
ハートヤイからパダンべサールへの地図
実際の体験をもとに、値段や発車時刻、注意点など、詳しい情報をご紹介します。
この記事は、わが家が旅をした2024年4月時点の情報をもとに作成しています。
最新情報は随時確認をお願いします。
ハートヤイ(ハジャイ)駅
チケット購入方法
まずは、ハートヤイからパダンべサールまでのチケットの買い方について。
チケット購入の窓口は、荷物検査のゲートを通過して右手にあります。
通過するだけで、ほぼ意味をなさない検査ゲート
チケット購入窓口
料金は、1座席50バーツ(210円)。子ども料金は無いので、必要な座席数を購入します。
英語も通じるので安心して購入できます。
「To Padang Besar, two adults and two kids.」というような簡単な英語でOK。
支払いは500バーツ(2,100円)以上から、クレジットカードが使えます。
500バーツ未満は、現金のみの支払いです。
ハートヤイ(ハジャイ)からパダンべサール行きの列車チケットは、前日から購入可能です。
全席自由席なので、チケットが売り切れることはありません。当日に買っても大丈夫。
チケットはこんな感じです
出発時刻
駅には時刻表が貼り出されています。
しかし、これは随時変更されたものが反映されていない可能性もあります。
参考程度にして、最新の正確な出発時刻はインフォメーション窓口で確認しましょう。
インフォメーションは、ホームに出てすぐの右手側にあります。
インフォメーションにパダンべサール行きの発車時刻を確認すると、発車時刻をまとめた紙を手渡されました。
2024年2月からの最新の時刻表をまとめたのがこちら。
毎日3本の列車が運行しているようです。
【タイ → マレーシア】
列車番号 | ハートヤイ発 | パダンべサール着 |
45 | 7:20 | 8:05 |
947 | 8:55 | 9:40 |
949 | 14:00 | 14:45 |
【マレーシア → タイ】
列車番号 | パダンベサール発 | ハートヤイ着 |
948 | 10:15 | 11:00 |
950 | 15:40 | 16:25 |
46 | 17:00 | 17:46 |
タイの列車は遅れることがよくありますが、出発予定時刻の30分前には駅に来ておきましょう。
画面の右側には、遅延時間と到着予定時間が表示される
ハートヤイ 駅の様子
ハートヤイは駅を中心に発展した街です。
駅のまわりは繁華街になっていて、店も多くて便利。
駅前には繁華街が広がっている |
駅の中にも売店や食堂があるので、安心です。
ホームには列車の到着を待つ人がたくさん。
列車が到着すると、一斉に乗り込みます。売り子たちは列車の窓際で売り込みしていました。
ハートヤイ発の国際列車に乗る
出発のプラットフォームは、購入時に確認するか、駅員さんやインフォメーションに確認しましょう。
列車は、出発時刻の15分ほど前から乗車できます。
自由席なので、好きな席に座れます。
座り心地がよいクッション席もあります。
時間がなくて中は撮れなかったですが、奥の車両にはクッション席もありました
わが家はギリギリに乗ったので、木製の座席でした。
乗車時間は40分ほどなので、木製の座席でもそこまで気にならないと思います。
列車はクーラーがなくて、天井に扇風機がついています。
故障して止まっている扇風機もあるので、動いている扇風機の風が当たるところに座るのがおすすめ。
列車が動き出せば、開いている窓から風が入ってきて涼しいですが、停まっているときは暑いです。
窓は開け閉めができ、日差しが眩しければ、日除けを下から出すこともできます。
大きなスーツケースは座席の下に入れました。
車両の端などに大きな荷物を置くスペースはありません。
座席の下にスーツケース
リュックは棚の上に置けます。
出発してしばらくすると、乗務員さんがチケット確認に回ってきます。
確認したら青ペンでチェックされる
パダンべサール駅
出発してから40分ほどすると、タイのパダンべサール駅に到着します。
駅から見た外の景色
乗客はみんな国境を越えるため、ここではだれも降りません。
移動して、今度はマレーシアのパダンべサール駅に到着。ここが終点です。
全員が列車を降りて、まずはタイのイミグレを通過します。
タイの検査は並びます。子連れ優先レーンはありません。
できるなら列車到着前にドアの前で降りる準備をして、少しでも早く税関に並ぶのがおすすめです。
外の暑いところで15分ほど並んでから、ようやくクーラーの効いた屋内に入れました。
ここからさらに15分ほど待つ
税関では、タイ入国のときに書いた出国カードとパスポートをセットにして渡します。
大人はカメラの前に立ち、両手の指紋をスキャン。
子どもはカメラの前に立つだけでOK。
質問などは特にされませんでした。
タイの検査を通過したら、通路を進んでマレーシアの税関へ。
マレーシアのイミグレは並んでいません。
すぐに順番がまわってくるので、パスポートを渡すだけでOK。
手書きの入国カードは必要ありません。
2024年1月から義務付けられた「MDAC(デジタルアライバルカード)」を事前に登録しておけばOKです。
わが家は前日にギリギリ登録完了。
スマホを準備して登録情報を見せられるようにしていましたが、何も確認されませんでした。
MDACで名前やパスポート番号など入力したので、データ共有されていて確認不要だったのかもしれません。
ともかく、これでマレーシアに入国。
マレーシアのイミグレからの出口は階段しかないので、スーツケースやバギーは手に持って上ります。
パダンべサール駅の様子
駅には小さなレストランと売店があります。
駅の構内。国境を越えて、マレーシア国内列車の出発を待つ人たち
小さなレストランと売店
SIMカードの売店やハートヤイまでのミニバンチケット売場
無料のトイレもあります
駅のまわりには、店など何もありません。
歩いて15分ほど行けば、市場があるようです。
列車の待ち時間が長いので、荷物が少ない人は行ってみるのもいいかも。
ATMは歩いて20分ほどのところにあります。
夫が駅の外の様子を見に行ってくれましたが、ATMまで時間がかかりそうなので、わが家は行きませんでした。
長い歩道橋を渡って駅の外に出ます
駅のロータリー
現金が緊急で絶対に必要な人以外は、駅から出なくても大丈夫です。
列車のチケットはクレジットカードでも購入できます。
レストランや売店は、タイバーツでの支払いも可能です。
わが家はバタワース駅に着いてから、駅直結のペナン・セントラルのATMでお金を引き出しました。
パダンべサール駅からマレーシア各地へ
列車で国境を越えたほとんどの人がマレーシアの国内列車に乗り換えます。
主な行き先は、この3つ。
- バタワース(ペナン島の対岸)
- イポー
- クアラルンプール(KL Sentral)
▼ それぞれの都市へ列車移動した内容は、別記事にまとめました。
リンク
改札のそばには、各都市への出発時刻表が貼られています。
ここで最新の時刻表を確認できます
2024年4月時点の各都市への時刻表をまとめておきます。時間はマレーシア時間で表記しています。
旅行する方のお役に立てば幸いです。
バタワース行き 時刻表
バタワースはペナン島の対岸で、駅直結のフェリー乗り場からペナン島へ渡れます。
パダンベサールからバタワース行きは、1日18本運行しています。
列車番号 | パダンべサール発 | Bukit Mertajam | バタワース着 |
2941 | 5:20 | 7:00 | 7:11 |
2943 | 5:40 | 7:20 | 7:31 |
2945 | 6:00 | 7:40 | 7:51 |
2947 | 6:20 | 8:00 | 8:11 |
2951 | 7:35 | 9:15 | 9:26 |
2955 | 8:35 | 10:15 | 10:26 |
2959 | 10:35 | 12:15 | 12:26 |
2963 | 12:35 | 14:15 | 14:26 |
2967 | 14:35 | 16:15 | 16:26 |
2969 | 15:05 | 16:45 | 16:56 |
2971 | 15:35 | 17:15 | 17:26 |
2975 | 16:35 | 18:20 | 18:31 |
2979 | 17:05 | 18:45 | 18:56 |
2981 | 17:35 | 19:15 | 19:26 |
2985 | 18:35 | 20:15 | 20:26 |
2987 | 19:05 | 20:45 | 20:56 |
2991 | 19:35 | 21:15 | 21:26 |
2997 | 21:35 | 23:15 | 23:26 |
※ Bukit Mertajamは、イポー行きの乗り換え駅です
イポー行き 時刻表
パダンベサールからイポーへ行くには、まずバタワース行きの列車に乗り、Bukit Mertajam駅でイポー行きの列車に乗り換えます。
例えば、列車番号2959(パダンベサール→バタワース)に乗る場合は以下のようになります。
- パダンベサール 10:35発 → Bukit Mertajam 12:15着
- 列車番号2909(バタワース → イポー)に乗り換える
- Bukit Mertajam 12:21発 → イポー 14:11着
バタワースからイポーへは、1日10本運行しています。
列車番号 | バタワース発 | Bukit Mertajam | イポー着 |
2901 | 5:30 | 5:41 | 7:26 |
2903 | 6:00 | 6:11 | 7:56 |
2905 | 7:00 | 7:11 | 8:56 |
2907 | 9:10 | 9:21 | 11:06 |
2909 | 12:10 | 12:21 | 14:11 |
2911 | 14:10 | 14:21 | 16:06 |
2913 | 16:10 | 16:21 | 18:06 |
2915 | 17:40 | 17:51 | 19:36 |
2917 | 18:25 | 18:36 | 20:21 |
2919 | 19:10 | 19:21 | 21:06 |
クアラルンプール(KL Sentral)行き 時刻表
指定席の高速鉄道で、パダンベサールからクアラルンプールまで6時間弱で行くことができます。グレードによって値段が変わります。
チケットは、KTMB(マレー鉄道)から購入も可能です。
列車番号 | グレード | パダンべサール発 | KLセントラル着 |
EP 9273 | ETS PLATINUM | 7:30 | 13:04 |
EP 9275 | ETS PLATINUM | 9:35 | 15:09 |
EP 9277 | ETS PLATINUM | 13:40 | 19:14 |
EG 9425 | ETS GOLD(GEMAS) | 15:50 | 21:35 |
EP 9279 | ETS PLATINUM | 16:45 | 22:23 |
各グレード料金の目安は、以下のようになっています。
- BUSINESS CLASS
RM 176〜186(5,685〜6,008円) - PLATINUM CLASS
RM 100〜112(3,230〜3,618円) - GOLD CLASS
RM 74〜80(2,390〜2,584円)
バンコク行き 時刻表
タイのバンコクとパダンべサールを結ぶ列車もあるようです。
バンコクのクルンテープ・アピワット中央駅からパダンべサールまで、16時間かけての列車旅。これもなかなかおもしろそうですね。
列車番号 | クルンテープ・アピワット中央発 | パダンべサール着 |
45 | 16:10 | 8:05 |
列車番号 | パダンべサール発 | クルンテープ・アピワット中央着 |
46 | 16:40 | 8:30 |
※ 時刻はタイ時間です。プラス1時間すると、マレーシア時間になります。
子連れ国境越えの注意点
大人だけの旅とちがって、子ども連れは特に気をつけたほうがいいこともあります。
- 事前に出発駅で情報を確認する
- 早めに行動する
- 水や食料を持参する
順番に見ていきましょう。
- 事前に出発駅で情報を確認する
行き当たりばったりで動くのも、旅の醍醐味の1つ。
でも、子連れにはおすすめしません。
チケット売場、出発時刻、トイレの場所、売店、…など把握しておくと、当日スムーズに動けます。
すべて把握していても、大人の1.5倍は時間がかかるのが子連れ旅。
バス、列車、船を利用する場合には、事前に確認しておくと安心です。
- 早めに行動する
トイレ、怪我、忘れ物、…。
不測の事態がより起こりやすいのが子連れ旅。
早めに駅に着いて、早めに列車に乗る準備をする、くらいでちょうどよいです。
- 水や食料を持参する
旅の移動は、最低限の荷物で身軽に動きたいものです。
でも、子連れ旅では水と食料(スナックやパン)を少し持っていくのがおすすめ。
旅では、列車が1〜2時間遅れるなんてことがよくあります。
遅れても大丈夫なように、事前にしっかりご飯を食べていても、すぐお腹が減る子どもたち。
荷物を持ちながら、お腹が減った子どもたちを歩かせるのは、けっこう大変です。
すぐに食べられるスナックやパンがあると、とても助かります。
そして水は、暑いのでどんどん消費されます。
わが家は大人2人、子ども2人(末っ子は母乳)で1.5Lは事前に用意しています。
国境を越えると、通貨も切り替わります。
国境の街では、どちらの国の通貨も使えることがほとんどです。
でも、値段は高いし、残っているお金では買えなかったりもします。
ATMが近くになかったりもします。
なので、水やスナックを事前に準備しているわが家です。
水や食料をたくさん持つと移動がたいへんですが、移動時間や遅延を考えて必要な分だけ持って行くのがベストと思います。
まとめ 子どもと国際列車で国境越え
タイのハートヤイ(ハジャイ)からマレーシアのパダンべサールへ。
列車で国境を越える、というおもしろい体験ができました。
乗車時間は45分ほどで短く、子連れでもラクに移動できます。
陸路の移動が好きな方は、ぜひ1度体験してみてはいかがでしょうか。